両親が「三郎*1」と呼んでいた彼の事が少し気になって、目で追ったのが最初だと思う。
いつの回だったか、コンプレックスの話をする流れになって、「笑うと目が無くなっちゃうんですよね〜」とこぼし、「でも田口くんの笑顔はチャームポイントだよね」と和田さんに褒められて綺麗にはにかんだ彼を見た時にはもう完全に好きになっていた。
KAT-TUN全員に見せ場を作ってくれる歌笑は茶の間ファンの小学生が田口さんにハマるのに十分すぎる映像を提供してくれて、あの大きな大きな身体が華麗にバク転を決める姿はジャニーズを知ったばかりの私には本当に衝撃だった。
恥ずかしい表現だが本当に王子様に憧れるように「じゅんの様」を好きだったのだ。
それから10年。
何度か担当が変わってしまって、一時ジャニーズからも離れていたけれど、テレビでKAT-TUNを見れば田口さんに目がいった。
最初に抱いた印象と彼は少しずつ変わっていったけれど、特に幻滅も衝撃もなく、茶の間ファンとしてKAT-TUNを応援していた。
そしてここ最近の田口さんは本当に綺麗で、ジャニヲタ出戻りと共に再び買い始めた雑誌に彼が載ると幸せだった。
それら全て、もう見ることができなくなるのかと思う。
何の報告も無いため、今後彼がどの道で生きていくのか全くわからない。今の時点では全て想像でしかなく、確定しているのは彼がKAT-TUNから、ジャニーズからいなくなってしまう、という事実のみだ。
ただなんとなく、もう今のように彼を見て笑い、憧れ、感動することはできない気がする。
円盤も無い。現場に行ったこともない。雑誌はあるけどそれだって買った目的は彼ではない。
私は今までずっと茶の間ファンの域を飛び越えられなかった。
田口さんを好きになった時は田舎の小学生で、自分の勝手で彼を追いかけるには財力も脚も理解も無かった。(追っかけの存在こそ知っていたものの自分とは無縁と思っていたし、そこまでの熱がなかったのも事実)
大きくなってある程度の自由が効くようになった頃にはたくさんの人に魅了され過ぎていて、結局彼に私が働きかけられたことなんてテレビを挟んだ場所からの賞賛だけだった。
彼がジャニーズという大きな組織の中でアイドルをしている限り、こんな応援の仕方で十分満たされたのだ。
それがこれからはどうだろう?
きっと強く会いたいと願わなければ会えない存在になるだろう。もしかしたらメディアの前に顔を出すことが無くなってしまうかもしれない。
そうなれば私は自分の担当達を応援して、楽しんで、毎日幸せに暮らしながら何かの拍子に彼を思い出すのだろう。
それを寂しいと思うくらいには彼が大好きなのに、私はお茶の間から飛び出せずにここまで来てしまった。
彼だけを追いかけてきた方々や、それこそあの時あの場にいた担当の皆様に比べたら私のショックなんて軽いものだろう。
それでもやっぱり一晩経って尚寂しさは増すし、これを書きながら気持ちに整理がついてきたら余計に悲しくなった。
綺麗で、愉快で、華やかな彼が大好きだ。
こんなことを書きながら、もし彼が何かの形でメディアに出ようものなら嬉々として見てしまうかもしれない。
何かの機会があればあっさりお金を出して彼に会いに行くかもしれない。
ただ、今は考えられない。
今後についての言及が何もないから尚更だ。
私は最後の日まできっと美しいであろう最初に好きになった人の姿を今まで通りお茶の間から見続ける。
*1:ドラマ「がんばっていきまっしょい」内の田口さんの役名。両親はこのドラマが好きだった