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つれづれログ。

いろいろ齧ってぜんぶおいしい。

「国境(ライン)の向こう」感想と久しぶりに見た賢章くんの話。



先日、舞台「国境(ライン)の向こう」を観劇しました。
小野賢章さんのファンクラブに入っていたことがきっかけで知ったこの舞台、ちょうど当落が出た頃が所持金のピンチと重なってしまい1度は観劇を諦めたのですが、なんと父親が興味を持っていたので調子よく乗っかることに。(父がチケット代出してくれました。やったね。)


戦争というテーマ、ポスターから漂う重そうな空気。賢章くんが絡まなかったら絶対観てなかったと思います。
実際は戦争と無関係な山奥の人々の話。小さな小さな茶番劇のような対立はあるものの、平和な話でした。


「国境」によって南北に分断された戦時中の日本。山奥にある2つの家族は、ちょうど2軒の間に国境を引かれてしまう。

しかし、兵隊すら見向きもしない山奥。両家は今まで通り助け合いながら仲良く暮らしています。

そこに軍隊に入っていた北の家の長男や国境沿いを監視している兵隊達が現れることで人々の心に小さなわだかまりができるようになって………


と、概要はこんな感じ。(※1度見ただけの人間の不明確な覚え書きです)
知識を得たことによって不幸になってしまう、というよくある話といえばよくある話。
この中で賢章くんが演じていた牧男くんは、南の家に住む村のこと以外何も知らない純朴な青年でした。
「ここには田んぼも畑もあるし、家族もいる。それにここが好きなんだ」
こんな純粋なセリフが賢章くんの真っ直ぐな声で紡がれるのがたまらなく愛しかったです。

北の家で育った牧男の幼なじみの華子は、1度村の外で共産主義などについて学んだ女の子。自分が生きてきた世界の狭さに気付き、必死で大人びた態度を取っている華子は牧男の暢気な言動を嫌悪します。「あなたは南の人、私は北の人」と牧男を突っぱねる華子に対し、「ここではそんなの関係ないよ」と今まで通り接する牧男。結局は華子も牧男の純粋さが羨ましかったんですね。



劇中数回登場するこの2人の会話を見ていて、この物語の幸福や希望の象徴が牧男くんだったのではないかと思いました。

わからない事はわからないから仕方ない。外の事は気になるけど、村も家族も大好きだ。心の底からそう思っていて、更にそれを笑って口に出せる牧男は一見馬鹿で暢気です。(戦時下とは思えないくらい朗らかですしね)誰もが1度は死を恐れ、疑心暗鬼になっていく中で彼だけはずっと笑っていた。今まで仲良く暮していた2つの家族がバラバラになった時も、彼はまた元通りになると信じていた。
どこまでも明るくて、真っ直ぐな牧男くんの姿こそ、この舞台の人々が最後に気づいた幸福だったのではないでしょうか。


観劇中も観劇後も、私は賢章くんが牧男くんで良かったと思いました。賢章くんがきっかけで触れた舞台で、1番素敵な人物を賢章くんが演じる、それがとても幸せな事のように思えました。

私は少し前まで賢章くんの追っかけになろうと思っていました。
大好きだったキャラクターのCVが彼だったのをきっかけに、ファンクラブイベントに行ってツーショットを撮る、彼とブランドがコラボした商品を買う*1などなど、一人暮らしで叱ってくれる人がいないのをいい事にやりたい放題でした。
全てが過去形になってしまったのは、最終的に全部止めてしまったから。
彼に注ぎ込むだけの資金も時間も無いくせに「貢ぐ」という言葉の響きに惹かれて散財し、「彼に関わるものは買わなくてはいけない」「お金を払って応援しなくてはいけない」と思い込んでいた自分に疲れてしまったのです。*2


そして凝りもせずジャニヲタを再開して半年。久しぶりに遠くから見た賢章くんは優しくて爽やかな牧男くんの姿でした。
ニコニコ笑って、甘え上手で、柔らかいのによく通る声で話す、初めて彼を知って「小野賢章っていいな」と思った頃の姿でした。

こんな素敵な舞台で良い役を貰えるような人だったんだと自分の目で強く実感しました。
遠くから見られてよかった。彼だけに変にこだわらないで見る事が出来て本当に良かった。

2階席から舞台全体を見渡せたのはとても好都合だったのかもしれません。



帰り際、父に「あの子の声はよく通るね」と言われて本当に嬉しかったし、私もやっぱり好きだと思いました。

そして今回彼のお芝居に惹かれました。
役者の小野賢章が好きになりました。


これからは変な意識に囚われることなく、彼の舞台を楽しめたらいいなと思います。
どうするか悩んでいた賢章くんのファンクラブ、とりあえず続けてみる事にしました。


無理せず、自意識に囚われず。
今度は身の丈にあった応援をします。


(牧男の母親役だった戸田恵子さんについても書きたいのですが、今回はここまでにしておきます)

*1:全部で10万近くかかって雀の涙程の稼ぎしかなかった大学生には辛すぎた。夏本当にお金がなかった

*2:リア恋に片足突っ込みかけてたせいでとにかく他の人よりお金使わなきゃ、みたいな意識があったんです。恥ずかしい…