つれづれログ。

たぶん自己肯定感が高くて成長が見込めない人の忘備録

こたきくんにはハッピーエンドが似合う -ザ・ビューティフル・ゲーム感想

 

私は小さい子供が楽しそうに笑ってるのを見ると、「この子の人生に嫌なことは一つも起こりませんように」と願う癖があります。健康と成長を願ってるだけです怪しい者ではございません。そして、不思議なことに小瀧望さんを見ていても同じ感情になります。私は彼とさほど歳は変わりません。でも、何故かそう思います。

それだけのんちゃんの醸し出す多幸感みたいなものが私は好きなのでしょう。

そんなのんちゃんを観に、日生劇場へ行ってきました。

 

(※感想なので「ザ・ビューティフル・ゲーム」のネタバレをしつつ、舞台を観てないとなんのこっちゃわからないような話もしています。ご注意ください。)

 

チケットを当てた小瀧推し(桐山担)の友人は諸事情で急遽欠席…。「チケット事前に貰っといて良かったねぇ」なんて言いながら久しぶりのぼっち参戦となりました。(紙チケってこういう時本当に便利。)

 

事前情報をあまり入れないで行ってしまったので、最初はトントン進んでいく物語にびっくりしました。サッカーがメインじゃないんだ?試合って前半で終わっちゃうんだ?!

宗教・戦争、差別に抗争を扱う作品はそこに含まれたメッセージ性よりも先に「どうしてそうなっちゃうんだよ…」とやるせない気持ちになってしまうのですが、今回も「あぁ…」と目を覆いたくなるシーンがたくさんありました。幸せな日常と理不尽な死がクルクルひっくり返るように訪れる構成は見ていて苦しい。「殺人は犯罪じゃなかったの?」ってメアリーも泣いてたけど本当にそうだよね。おかしいね。

 

ただ、だからこそ、ラストに油断してたんですよ。

何度か舞台や映画を見てるとある程度悲劇的な展開って予想つくじゃないですか。自己防衛じゃないけど、不穏なフラグを感じたら起こりうる怖いこと想像するじゃないですか。で、この作品は不穏フラグの回収率が異様に良いので、悪い予感が当たる当たる。

そんな調子なので、終盤には自然と「もうバッドエンドのまま終わるんだろうな」って思ってたんですよ。ジョンはテロリストになって海の向こうの国を爆破しようとするし、かつてのサッカーチームは殆どのメンバーが死亡、残った人もアイルランドを離れたり、生きていても健康体では居られなかったり。時間は巻き戻せないし、ここには誰ひとり残らない。そんな寂しいラストで終わるんだろうなって泣いてるメアリーを見ながら思ってました。

思ってた、けど!

ジョン、帰ってくる!!

メアリーの前に現れた瞬間ボロッボロに泣いた。やるせないエンディングになるのかなって油断してたせいか、急に涙腺が爆発した。本当に良かった。幸せに終わって良かった。ここで戻ってくるのがジョン(のんちゃん)だよね!って嬉しくて、カーテンコールまで大号泣で拍手しました。

悲しいことがあって自分を見失いそうでも、ちゃんと愛を思い出せる人、自分が何者か思い出せる人。そんなジョンを演じるのんちゃんって、解釈に合いすぎてて気持ち良い…!幸せであって欲しい人が幸せにラストを迎える舞台、嬉しい…!!

このラスト3分で全部持っていかれました。やっぱりのんちゃんは希望と幸せが似合う…!

(これ翔くんも演じてるのかぁ…見てみたかったなぁ…。)

 

 

本っ当に良い現場初めになりました。

 

 

 

はー…

 

 

 

今年は自担の舞台もしっかり当たりますように…!

(こんなまとめですみませんが本年もよろしくお願いします)

この夏何してた?

(※8月末に書き始め、加筆修正を重ねているうちに9月が終わってしまった記事になります。今更?!な内容盛りだくさんですがどうぞご覧下さい。)

 

 

 

SnowManデビューおめでとうございます~~!!!!!!ヒュー!ドンドンパフパフ~!!

 

 

 

8月8日は友人の家で配信を見ておりました。

向井くんのデビューに大泣きする友人と乾杯して、花束抱えて踊る阿部くんをニヤニヤ眺める素敵な時間でした。

 

 

 

さてさて、そんな今年の夏。

 

サマパラが1枚もご用意されませんでした。

 

 

本当にびっくり。めちゃくちゃ公演数あるのに。大人気かよ。(大人気だよ)

 

毎年夏だけはしっかりご用意されていたので、まず全滅のショックに倒れる。そして社会人になってから痛感したんですけどケツイって疲れる。

本当に時間と体力のいる作業。

今年は根気で負けてしまいました……(行きたかった気持ちは本当なんだぜ…)。

 

 

とはいえ、なんにも無いのじゃつまらない!

せっかくの夏なのにお家でYouTubeやZIPをリピートするだけなんて……!!

 

 

……と、いうわけで。

 

DDらしくあちらこちらを飛び回って参りました!!*1

「自担に会えない夏、Youは何してた?」ブログです!スタート!!

 

 

①マジLOVEキングダム入国

6月下旬から行き始めたこちらの現場。

2000円しないのに良質なコンサートが見られる。映画館が空いてさえいれば毎日入れる。とっても素敵な夢の王国。

(ちなみに私の推しは四ノ宮那月君です。ミニアルバム発売おめでとう~!)

 

久しぶりにうたプリに触れて、友人と大学生の頃見ていたアニメ(2000%)の話で盛り上がって、ちょっと懐かしい気持ちになれました。

「流行りに乗っていた程度のつもりだったけど、私ST☆RISHのこと大好きなんだなぁ」なんて噛み締めながら休みの日、仕事の後、鞄にキンブレを忍ばせては映画館に通う日々…。

(家から1番近い映画館に上映リクエストを出していたのですが今のところ上映は無さそう……悲しい。)

 

殆どの館で上映が終わってしまいましたが、可能ならもう一度観たいですね。

 

②A3!

ソシャゲに珍しくハマっております。

 

崩壊寸前の劇団を立て直すべく、なんとかして団員をかき集めて爆走するイケメン役者育成ゲーム「A3!」。

存在こそ知っていたものの、ノベルゲームをコツコツ読んでいくのが苦手な為リリースから2年間見向きもしていませんでした。

 

ところがどっこい。

 

自担の卒業を期にアニメ・声優さんに力を入れ始めた友人が「夏組のメインストーリーを一緒に読もう」とテレビ電話を掛けてきたのがきっかけで、見事にそのまま夏組推しに。

(ちなみにA3!に出てくる「MANKAIカンパニー」という劇団は春夏秋冬の4つの組に分かれています。年齢層やお芝居のテイストも組ごとに様々。夏組は6人中5人が学生のフレッシュ組。舞台の内容はコメディが多め。ストーリーもThe☆青春!って感じでスチルが眩しいです。)

自分でプレイするのではなく、テレビ電話で画面を写しつつ友人と2人で内容にツッコミを入れてゆくオーディオコメンタリー方式が楽しかったのもハマりやすかった理由かもしれない。

 

ちなみに8月は推しているキャラクターのお誕生日でした。

社会人になって自分のお金で誕生日ガチャを回せるのが最高に楽しいです。

 

トムとジェリー観劇

めちゃくちゃつまらn

今まで見たことの無い斬新な舞台でした。

 

御園座に初めて行けたのが嬉しかったです。

リニューアルしたばかりなので劇場もお手洗いも綺麗。

 

あと御園座は座席で飲食が可能です。

小腹が空いたな~って方にはロビーの売店で売っているアイス最中をお勧めします!

(サクサクの最中二枚に球状のアイスがどん!と入ってます。ぴったりみっちり入っている松竹座のアイス最中を想像するとちょっとびっくりするかもしれません。)

 

会場入り口横(?)の売店で買える出汁巻き卵サンドも美味しかったのでみなさん御園座で観劇の際はぜひお召し上がりください!

 

舞台の内容について言いたいことは山ほどあるので、別で記事を出そうかなと考えています。1つだけどうしても気になったのはタフィーがジェリーの彼女みたいな立ち位置になっていたこと。タフィーはジェリーのもとにやってきた孤児なので兄妹のように見えたとしても恋人ではないような・・・。タフィーちゃん好きなのでちょっと納得できなかった。

 

2.5次元俳優

 ・・・何故?

なんか道を踏み違えました。

 

 きっかけは先述の「A3!」。

こちらが実写舞台も上演しておりまして*2YouTubeにあったゲネプロ映像を面白半分に見てみました。

いやー、生身の人で動いてるって凄い。

ゲームはキャラクターが立ち絵で会話しているシーンが大半を占めているので、どうしても想像で補わなきゃいけない動きや表情が多くなってしまうんですよね。特にA3!は劇団のお話なので、せっかくのお芝居やアクションシーンが静止画!!なんてもどかしい部分もたくさん・・・。

その辺のもどかしさを実際の俳優さんで埋めてもらえるのはめちゃくちゃ嬉しい!

 

ルックスや言動など各キャラクターの造形に関しても「素材が良くてクオリティの高いコスプレ」みたいな先入観が抜けなかったんですが、想像よりもずっとそのキャラとして生きているというか、しっかり成立しているなぁ、、と感動してしまいました。

作品やキャラクターを好きな人たちの為に俳優さん達もめちゃくちゃ工夫してくださってるんですよね。公演期間中はそのキャラとしてTwitterを更新してくれたり、キャラと友達のような距離感で対話してくれたり、人によってアプローチ方法が違うのも見ていて楽しいです。

 

ちょうど今日、大好きな夏組の単独公演が千秋楽を迎えました。おめでとうございます!

知るのが遅かったのが悔やまれますが、推しキャラが秋組単独にも出るようなので行きたいです…。

 

気になる俳優さんも数人できたので、エーステに限らずいろいろ行ってみたいなぁと思ってます。

 

 

 

 

 

・・・と、いった感じでこの夏はあちらこちらをふらついていました!

夏も終わるなぁ、って頃になって「ジャニーズの現場行ってない!!歌って踊るジャニーズ見たい!!」って発作が起きてAぇ!Groupのために滋賀まで行きましたが(?)、それ以外は本当にまったりと関東で過ごしました。(トムと〇ェリーが若干無かったことになっていますがまぁ察してください)

 

 

残念ながら秋もチケットは負け続けでSnowManを見に行く機会が皆無なのですが、10月からはいろんな舞台の予定が入っているので、また忙しくオタクしたいと思います!

 

はー!SANEMORI行きたいなぁ!!!!

*1:節操のない自覚があるので、開設当初からこのブログのカテゴリーには「DDシリーズ」という項目があるのです。

*2:MANKAI STAGE『A3!』。通称「エーステ」

生まれたてのエイリアン、のべつまくなしを観に行く

 

 

「ヤバい、楽しい、めちゃくちゃ楽しい、」

 

4月26日。

 

私はサンシャイン劇場のロビーに置かれた椅子に座って、何度も何度も同じことを繰り返していました。

早く誰かに話したい。誰かにこの楽しくてたまらない気持ちを伝えたい……!!

そうしてソワソワしていた私の元に走ってきた友人!

 

「あの、……やまりょちゃん……っ!!やまりょちゃんが……!!!(顔を覆う)」

 

 

2人して語彙が飛んでいる。

 

 

 

 

 

 

……と、言うわけで。

行ってまいりました!のべつまくなし!!

 

初めての宇宙six!初めての30-delux!楽しー!舞台楽しー!!

 

 

松本くんが推しJrに加わって早2ヶ月が経過しているのですが、やっぱりまだまだ知らない事も多いし、劇場入るまではめちゃくちゃ緊張しました。自担の舞台っていうより未知との遭遇って感覚。

なんなら目黒くんの声が聞こえてちょっと安心しましたもん(吃驚)。

 

書きたいことがたくさんあってまとまらないので、とりあえず宇宙six1人ずつの印象・舞台の感想を述べていきたいと思います!!

 

江田くん

可愛い……。

「江田ちゃんは可愛い」ってみんな言ってたしなんとなく可愛いのは理解していたんだけど本当に可愛かった……。

なんか江田ちゃんの可愛さって小ささとかふとした瞬間の仕草とかそういうもの由来だと思ってたんですよ(女子か)。本当の本当に全身可愛くてびっくりですよ。なんですかあの人は。

お団子いっぱい食べさせたい。お目目キラキラさせて欲しい。

 

一見弱くて脆くて、でも時代を変えられるくらいの大きな才能を持っていて、いざという時は大胆に動ける、そんな柔らかさと強さを持った素敵な近松門左衛門でした。

 

あと島動画で次の出演舞台も近松がテーマ、という話になった時に「近松が呼んでくれたのかなぁ」とはにかんでいた江田くんがとっても好きでした。

 

松本くん

「策はある!……頑張るー!!」

(頑張れぇぇぇぇぇ!!!(笑))

 

笑顔が眩しい!声が大きい!みんな大好き大岡越前!!今日もカッコいいよ!!

 

一生懸命正しい事だけに真っ直ぐ向き合う、そんなシンプルだけど難しい事を貫ける正義の味方。おバカで愛しい越前は、まさに私が見たいなぁと思っていた松本くんでした。こういう役を当ててもらえる人なんだな、って確認できてとっても嬉しかったです。

 

あとはやっぱり変身シーンですよね…!

突然の変身ポーズ、ザワつく客席、繰り出されるライダーキック(違う)……!!

 

拍手喝采!バイブスぶち上げ!サンシャイン劇場大岡越前と握手!!!

このシーンの会場のざわめきが大好きでした。

松本くん変身成功おめでとうございます!!

だんだん変身ポーズがガチャになっているようなので、ぜひとも「宇宙キター!」をお願いしたいです……!(笑)

 

山本くん

私の友人をドカンと射抜いた山本くんもとい紀伊国屋門左衛門。

 

元気いっぱいニコニコ笑う山本くんしか知らない人こそ絶対見て欲しいです!!!

こんな表情持ってる人なんだ!ってびっくりするはず!!私はびっくりしました!!

 

他の方の感想をいくつか読んだのですが、宇宙担の方から見た山本くんってこんなにカッコいい人なんですね。

宇宙sixの真ん中でキャッキャとはしゃいでいる山本くんしか知らなかったので、紀伊国屋の2面性や危うさを纏う姿がとても新鮮でした。

 

他のメンバーが自分の方に役を寄せている印象だったのに対して、山本くんは紀伊国屋を自分の中に憑依させている印象を受けました。

近松とはしゃいでいる場面もいつものえだりょちゃん!チップとデール!って感じは一切なくて、終始紀伊国屋として生きている山本くん。

これはいろんな役を生きる山本くんが見たくなっちゃうなぁ……。

 

ソロ曲は難しい曲の上に殺陣をしながらの歌唱のため少しだけ「……。」となるのですが、見に行った方がほぼ全員歌について言及した上で、それを覆せるくらい山本くんの演技や殺陣を絶賛していたのが印象的でした。

1曲音程外した程度では揺るがない山本くんの魅力。恐るべし。

 

原くん

やっぱり原くんは華やかだなぁ……!!

 

年少メンバーが何かを掴んで煌めき出す瞬間ってすごくドキドキしませんか?

スクアッド、メタルマクベス両作品とも観ていない為原くんのこれまでの演技を比べられないのがとても惜しいのですが、他の方々の感想を見る限りこの2年くらいの間に色んなものを吸収しているのだろうな、と思いました。

チャンスを掴んで、いろんな世界を見て、新しいものを手に入れて輝く原くんは、希望の象徴みたいで見る度ニヤニヤしてしまいます。

既に持っている武器をより鋭く磨いていくのが上3人だとすれば、原くんはこれから手札を増やして、素敵な役者さんへと変わっていくのだろうなぁなんて思ったり。

 

今回の赤穂浪士の描き方、お馬鹿で可愛くて個人的に大好きでした。そこに史実とはちょっと異なる堀部安兵衛がいた事、それを演じていたのが原くんだった事、全部可愛い。

 

目黒くん

思っていたより大事な役だったから書いておきたいんだな〜(笑)

 

前述の通り初めてづくしで緊張していたので、時折聞こえる目黒くんの声にとっても安心しました。

すのにいる時はまだまだ敬語でおすまししてる事が多いので、今回気負わない末っ子目黒くんを垣間見れたのが嬉しかったです。声だけなのに全然違う。

「青、少なくね?」って言ってる徳兵衛さんが可愛くて、徳兵衛さんいる間はずっと青振ってました(笑)(←そういうオタクなんだよ私は)

 

私は今松本くんが好きだけれど、すの担の私が宇宙sixを知って、のべつを観にいきたいと思って、会場まで足を運ぶきっかけになったのは間違いなく目黒くんなんですよね。

2月頃はボロッカス言ってしまったのに、今は目黒くんに謝罪と感謝が絶えない日々を送っています。

宇宙sixの目黒くんにも早く会いたいです。

 

 

各メンバーの印象はこんな感じです。

あとは日野さんが……日野さんがカッコよくて……!!柳沢吉保大好きー!!

 

そもそも30-deluxが歌・ダンス・手品など様々なエンタメに溢れた素敵な劇団なので、こんな所とコラボさせて貰える宇宙sixめちゃくちゃ良いじゃん!!!!っていうのが素直な感想です。羨ましくない?みんなこういう舞台出てる自担見たくない?!なんて帰り道に友人と大はしゃぎしました。

 

 

ショータイムまでずっと楽しくて、観劇後もなんかテンション上がって体が熱くて、謎に汗だくでアンケート書きました。(行き場を失ったパッションが汗として出てくる。)(アンケート用紙がちょっとふやけた。)

 

こんなに楽しい舞台を見られたこと、見るに至ったたくさんのきっかけなど、全方面への感謝と続編への期待を詰め込んで殴り書いたちょっとよくわからないアンケートを汗だくのまま提出して劇場を後にしてきました。

時間が無くて焦っていても、テンションに任せてアンケートを書いてはいけません。(教訓)

 

 

 

本当はもう少し早くブログを書いていろんな人に行ってもらいたい!と思っていたのですが、東京公演は今日でおしまい……!!自分の遅筆が憎い……。(一応当日券出ております!ぜひ!!)

これから名古屋、大阪、北九州と回っていきますので、ご興味のある方はぜひお立ち寄りください!!このブログだと舞台の本筋に少しも触れられなかったのですが、すっっごく楽しいです!私も出来ればもう1回見たい!!

 

 

とにかく行けてよかった!観てよかった!!

のべつまくなし最高ー!!!!

 

 

 

「私はいいの、」という呪文~マリウス感想(?)~

 

本日の議題!ババンッ!!

 

「はたしてマリウスはクズなのか?」(と、同時に「ファニーはいい女なのか?」)

 

2幕が始まったあたりからずっと引っかかっていたこの疑問。

マリウスはしょーもないクズ男なんだよ!という前情報だけ得て観に行った私としてはこの作品におけるクズのハードルが低すぎて「え?そんな、え???」となってしまいました。

 

もちろん時代的な考え方の違いもあると思います。

観劇後に私よりずっと世界史が好きで論理的な友人(桐山担)と話し合ったのですが

あの時代に(どんなに強い誘惑があったとしても)家庭を選べない男=クズ

という結論に落ち着きました。

 

 

でもさぁ・・・でもさぁ・・・・・・

マリウス、結婚するつもりだったやん

せっかくの決心に揺さぶりかけたの、あの女やん

 

どぉぉしても納得できない!平成の日本に生きるややひねくれた成人女性の私はどうしてもマリウスだけを「クズ」と呼べなくてモヤモヤしている!!!

 

「家族を選べない男は~」という理屈で落ち着けたけど、そもそもマリウスは最初から自分に家族ができるリスクを回避していたんですよ。

「ファニーのことは好きだけど僕は結婚しないから、気持ちを伝えられない。」ってちゃんと伝えてあげてるんです。この時代に結婚しないで恋人として関係を続けるなんてマリウスにとってもあり得ない事だったんですよ。

そんなマリウスの頑なな決意を揺るがしたのが、船長と契約を交わそうとしたマリウスを引き留めてきたファニー。「海より素敵なものはいっぱいあるのよ!私が教えてあげる!それでも海に行きたいなら船乗りになればいい!」そこまで言ってのけたファニーに心動かされてマリウスは船に乗ることを諦める。

 

今思うとこのシーンが一番悲しい。

 

この時点でマリウスは船への思いを断ち切ろうとしたんだと思うんです。ここでファニーと家族になって一生マルセイユで生きていく。父親と同じようにカフェのマスターとして生涯を終える。本心で納得できてなかったとしても一度諦めてしまえばチャンスなんて2度と来ないし、今まで通り海に思いを馳せるだけで済む。

対するファニーもマリウスと家族になってずっと生きていこうと思っていた所は同じ。ただ彼女の場合、「マリウスが一切の海への思いを断ち切って」自分と家族になってくれると思っていたんじゃないかなぁ、と。

 

この食い違いが明らかになるのが1幕のラスト。

ファニーはあの手この手(色仕掛けですね)でマリウスを繋ぎ止めようと奮闘します。

が、そんな事知らない周りの大人からしたら、結婚もしていない他所の娘の家に毎晩通っているマリウスなんて「何じゃあの男、人の娘に手出しよってゴルァ!!」ですよ。

 

当然2人が結婚する流れになるわけで。

勿論マリウスだってそのつもりだったわけで。

 

この雰囲気に流されなかったのはただ1人。

 

マリウスが乗船を諦めた船が出港する日。

自分にプロポーズしたマリウスを拒んだファニーは、あろうことか今度は「船に乗れ」と彼を説得し始めます。

あれこれしてみたけれど、マリウスの海への憧れは断ち切れないと気づいたから。自分のわがままで彼をマルセイユに縛り付けたら彼が不幸になってしまうから。

 

「船なんていつでも乗れる」と思ってもいないことを口にしてマルセイユに残ろうとするマリウスに、「実はパニスからのプロポーズを断ってない」と嘘までついて彼を海に送り出すファニー。

(※情緒の無い私はここで既に「今更遅いよバカ・・・」と1度目の悪態)

 

・・・で、マリウスはファニーを置いて海へと旅立ってしまう。

パニス以外の大人は2人の事情なんて知らないから、彼女を置いて(しかもやることやって)海にでたマリウスはそりゃあ悪いやつでしょう。

 

そもそもマリウスにとってのファニーって海への気持ちを鎮める唯一の要因になるくらいには大切な女の子な訳で。

そんな大好きな女の子に迫られてギリギリの理性保って!なんてファニーさんそれはもう拷問だよ・・・って思いません?これ本当にマリウスだけが悪いかな?

順序は間違ったけど結婚して責任取ろうとした男になんて仕打ち・・・。

 

「私はいいの」という言葉は、罪悪感を利用することで自分の好感度を大きく上げてくれるそうです。(現代でも男性を繋ぎ止めるテクニックとして用いる女性が実際にいるらしい。)

ファニーとマリウスの別れはこの言葉が存分に効果を発揮しています。

 

2幕の始まり。マリウスは憧れの船に乗り、海での思い出を歌います。

私、ここで「木綿のハンカチーフ」ばりに楽しい毎日を歌いだすんだと思ったんですよ。マリウスはクズって聞いてたから。

歌い出して30秒くらいで「ファニー」出てきた。

コイツ完全に引きずってる。憧れの海全然楽しめてない。

 

「私のことはいいのよ、」で送り出された結果ファニーが心に住みついちゃってるマリウス。強い。こんな昔から人間の心理変わってない。

もはや気持ちよく出発できなかったマリウスが可哀想になってきた。

 

 

そして2幕最大の事件であるファニーの妊娠。

ここに関してはファニーもマリウスも2人そろって馬鹿。ここまで頭が回らなかった馬鹿なのか、それともただ単に2人がまだまだ子供だったのかは悩ましいけれど、とにかく2人とも浅はかすぎる。

やることやったらさぁ!当たり前にこうなるじゃん?!(暴言)

お前たちの思いとか体裁とか以前の問題である。この時点ではファニーもマリウスも人の親になれる器じゃなかったんだなぁ、と。

 

でもこれ、マリウスが悪くなっちゃうよね。

ファニー、肝心なところ何も言わないもん。

 

「お前がけしかけたんだろ~ぃ!」って頭の中で何回も野次飛ばしました。

大人はみんなあんたの味方だよ・・・。強い子ね、ファニー・・・。

 

 

ファニーを引きずりながら航海を続けていたマリウスも、彼なりに心を整理してマルセイユへと一時帰国します。

彼の中ではファニーとパニスがお互いの同意の上で結婚したことになっているんです。父親からの手紙で子供が生まれたことも知っています。「おめでとう」って言ってあげなくては!(自分のこと好きだった女の子にこんなこと言おうとする思考がクズ、って解釈もできるけどマリウスはとっても素直なおバカさんだし、これはこういう三角関係にある男のお決まりの台詞だからここだけでクズと呼ぶにはぬる過ぎる)

 

ファニーを祝福しようとするマリウスに激怒する父親

ほ~ら、ファニーがちゃんと説明しとかないからおじさん口滑らしかけてるよ?

 

しかもそこに訪ねて来るファニー。

来るんかい。

やめたって~、その男まだお前さんのこと好きなんだって~。

しかし、マリウスもまだ航海の途中。この後汽車に乗って次の港に向かいます。

 

父親に別れを告げ、何も知らないまま再びマルセイユを後にするマリウス・・・その背中に向かってファニーは「マリウス、私には何も言ってくれないの?」

お前悪魔かよ。

え?一応聞くけどお前マリウスのこと好きだったしマリウスもお前の事好きだったよね?

何「近所の年下の幼なじみから好意を寄せられていたけど気づかない振りして結婚しちゃったお姉さん」みたいな雰囲気出してるの?ん?

 

当然ながら今更どうにもできない感じでごたつく2人。

ここで「まだ俺が好きなのか?」って迫るマリウスは「今更それ聞いてどうすんの」感満載だけど、この言葉を引き出したのは他でもないファニー本人なのでしーらないっ。

 

ごたついてる真っ最中にファニーの子どもを連れてカフェに来てしまうファニーのママとおばさま。(お約束の様にタイミングが悪い。)

そしてうっかり子供がマリウスの子だと零してしまったおばさま

これはファニー悪くないね。話の流れ的にはグッジョブおばさま。

 

そうとなったら話は別だ!とファニーと子供を取り戻そうとするマリウス。

ここで全てわかった上でファニーの望み通りに口裏を合わせてくれている哀れなパニスさんの登場。

全て聞いて家族を取り戻そうとしているマリウスに対し、ファニーは良いけど子供は僕から取り上げないでくれ、と頼み込むパニスさん。

絶対それが良い。この2人まるで子供育てられる気がしない。

むしろファニーはマリウスに渡そうとしてるだけでもめちゃくちゃいい人だよパニスさん。最終的にご乱心のパニスさんがマルセイユ中を血まみれにするエンドでも納得できる気がした。

 

すったもんだあって結局マリウスを説得したのはマリウスのお父さん。

言っていることはごもっともです。命だけあげたマリウスなんかより愛情をかけたパニスさんの方がよっぽど父親だ。

でもね、お父さん。詳しいことを知らないお父さんに言っても仕方ないけれどさ、家族を持って父親になって、誰かに愛情を与えるという経験をマリウスは奪われてしまったの。半分は自分の海への憧れに。そしてもう半分はファニーに。

そんなに責めないであげてほしかったな。あなたはファニーじゃなくてマリウスのお父さんなんだから。

 

ま、ど~~~考えてもお父さんからしたら自分の息子があんぽんたんに見えるよね、この展開

実際あんぽんたんだし。子供と命を何だと思ってるんだこいつ。

 

 

ここで諦めがついて、マリウスは再び海へと向かい終幕。

哀れなお前、どこへ行く?と送り出されてゆくマリウス・・・。

 

 

ファニーの自己犠牲に大人が巻き込まれていくのが耐えられなくて、何度も脳内で野次が飛びました。

そりゃファニーは気分いいよね。自分が好きな男送り出してさ、夢と憧れを追いかける後押ししたんだもん。今頃憧れの海の上にいるんであろう想い人のこと考えたらちょっと幸せな気分にもなるさ。でもそれってちょっとマリウスの気持ち無視してない?マリウスもちゃんとファニーの事好きだったんだよ?

・・・と、いうのがファニーに対する正直な感想。

 

ちなみに「私はいいから」を多用しすぎると女性には見抜かれて煙たがられるのでご注意を。何度思い出してもファニーを斜めに見てしまう私が証明です。

 

 

アマデウスの時もコンスタンツェに怒ってたけど、スタンツェは浮世離れしたアマデウスを自分の生きている世界に縛り付けようとしていたからファニーとは真逆だなぁと。

(大和田さんが観劇に来ていた日の照史くんのレポが死ぬほど好きでした。照史くん、大和田さんにはちゃんとアマデウスとして接するんだね。)

 

 

あれこれ書いたけれどフラメンコ格好いいし照史くん自身が最高の仕上がりだし、マリウス観に行って良かったです!

私はプティくんの恋模様で頭がいっぱいでした。(久しぶりに見た西畑さんが記憶より大きくてびっくりした。)愛してるを繰り返すプティくんの歌が可愛い。役として最高に素敵なので、七五三掛プティも見たかったなぁなんて思ったり。

 

なにはともあれ、照史くん千穐楽おめでとうございました!

長い船旅だったので、ゆっくり休んでください!!

 

 

(※1度しか観劇していないので、セリフも場面もやや不正確です。ある程度大目に見てください)

もう一度、関西担始めます。

 

今年も私は松竹に行く!!

 

 

 

正直もうやめようかな、と思っていた。

 

若くて、輝いていて、彼のこれからが楽しみだった自担が日本を飛び出し、あれこれSNSを始めて1ヶ月。もう関ジュを追いかけるのはやめようと思った。

私にはまだ自担が2人いる。それで十分だよ。お家のテレビでまいジャニ観て、雑誌読んで、関ジュはそれで満足できるんじゃないかな。

 

こんな風にもやもやと考えながら探していたリューンのチケット。

なんだか宙ぶらりんな気持ちだった。

 

 

 

一瞬だけまとくんに魅せられていた期間はあったけれど*1、私は大橋くんが大好きだ。

ふわふわした笑顔と話し方、身体の全てが自由自在に動いているかのようなダンス、雑にバッサリと切り進んでゆくB型丸出しのトーク、それらがあの可愛い可愛い見た目に閉じ込められているのがとんでもなく魅力的で、関ジュを見る時はいつだって大橋くんの姿も目に収めていた。

ただ、推すには可愛すぎるかなぁ、なんて思って「自担」と明言しないまま遠くから眺めていた。

 

 

関ジュが好きなのに足元がぐらついてしまっていた冬の私は、そんななんとも言えない位置づけにいた大橋くんを追うことでなんとか彼らについて行こうとした。

クリスマスもお正月も大阪には行かなかったけれど、友達が大橋くんの写真を私にくれた。私も今欲しいのは大橋くんだと思った。*2

ただなんとなく、心はスッキリしなかった。

 

 

どんなに大橋くんに意識を向けても気持ちが宙ぶらりんなまま、私の最初で最後のリューンは幕を開けた。

何にも予習できてなくて、パンフレットがあんなに大きい事も知らなくて、17:58に慌てて携帯の電源を落とすまでずっとずっと実感が無かった。

 

そして幕は上がる…

 

 

……。

 

…………。

 

 

え、リューン・ダイカッコいい。

 

 

1幕で十分だった。

私の知ってるふわふわでニコニコの大橋くんはどこにもいない。ステージには強い意志を持って歌い、剣を振るう1人の男の子がいた。

こんなの知らない。こんな大橋くん見たことない。

 

こんなに力強く歌えるんだ。

こんなに軽やかに剣を振るうんだ。

 

いや、歌えるように「なった」のかもしれない。

軽やかに動けるように「なった」のかもしれない

「リューン」という舞台が大橋くんをこんな風に成長させたのかもしれない。

私は今、とんでもないものを見ている。

大橋くんを見る度「きっと凄い人になる」って思っていた。よくわからないけれど、全ての人を惹きつけて離さないような、視線も喝采も一身に集められるような、そんな揺るぎない魅力を秘めている子なんじゃないかと、なんとなく思っていた。

そんな予感が形になって現れたのが、リューン・ダイだった。

 

ついにこの時が来てしまった…!みたいな。もう世界は大橋和也から目を離さないぞ…!みたいな。

大袈裟かもしれない。外野が何言ってんだと言われたらそれまで。ただ、外野だからこそ大橋くんにたくさん夢を見ていたから、ダイの歌声、身のこなし全てが嬉しくてたまらなかった。

 

もう絶対見逃すもんか。

この先の大橋くんから一瞬だって目を逸らすものか。

全部追いかける。

私、大橋担になる!

 

ただいま関ジュ担!1ヶ月で帰ってきたよ!

関ジュカレンダー楽しみぃ〜!松竹楽しみぃ〜!(春松竹行きたひ…)

 

リューンに行って本当によかった。

こんなにワクワクしたの久しぶり。

リューンに行けるまでの全てのご縁、懲りずに大橋くんのフォトセを買ってきてくれた友達、そして大橋くん、本当にありがとうございました!!

 

 

 

 

それから、

 

丈くん。

 

今回大橋くんと共に挑むのが丈くんで本当に良かった。

インタビューを見る度、大橋くんを気にしながらミュージカルに挑むのは丈くんにとって凄く大変なんじゃないかなぁと思っていたけれど、そんな不安をぶっ飛ばすくらい丈くんはカッコよかった。

「自分自身から出るもので役を作ることができるんじゃないかと」思った大橋くんと、登場人物達に寄り添ってフローを理解しようとした丈くんのお芝居はやっぱり対照的で、真面目に丁寧に考えて作られたフロー像は、ダイとは全く違う輝きを持っていた。

 

そんな対照的な丈くんと一緒だったからこそ、大橋くんの演じるダイはあそこまで到達できたんじゃないかな、なんて。

 

 

私がリューンで見てしまったもうひとつの「とんでもないもの」は、丈くんと大橋くんが「かけがえのない2人」になる瞬間だった。

11日夜、最後の最後で丈くんに抱きついた大橋くんを見て、なんとなくそう思った。

 

自分の事をあまり語らず、着々とキャリアを重ねている丈くんをずっと孤高の存在のように思っていた。

そんな丈くんが今、ふたりになろうとしてる。

そして大橋くんの中でも、間違いなく丈くんが特別になってる。

これ、シンメの生まれる瞬間じゃないかな?

ひょっとして私、凄く暖かくて尊い瞬間を見ているんじゃないかな?

 

1回の舞台でここまで思った。

それくらいあのハグが印象的だった。

もしかしたら(いや多分…絶対?)大橋くんは自分が「ハグをしましょう!」って言ったから真っ先に丈くんで実践しただけかもしれないけど、それでもいいや。私はあの瞬間が忘れられない。

あのハグが尊い、って私が思ったから

2月11日は丈橋記念日

(急にふざけた)(書いてる間に我に返ってきてしまった)

 

ジャニーズの中で1番年が近い子が丈くんなので*3、「誰世代ですか?」って聞かれたら「丈くん世代です!」って答えたいくらい*4丈くんに親近感を抱いているから、余計に嬉しかった。その相手が大橋くんっていうのが尚更。

※朝田くんと大橋くんが向かい合って踊る瞬間が大好きだったのでちょっと切なくもなったけれど、同じくらい朝田くんと今江くんにもかけがえのない関係性を感じてしまったのでそれはそれ、これはこれ。2人がお互いのことを大好きなのは変わらないから寂しくない。

 

 

こんなものを見てしまったからにはもう逃げられない。

大橋くんを

丈橋を

funky8

全部全部見逃さない。

 

はじめまして皆さん。大橋担です。

よろしくお願い致します!

 

 

 

P.S.

東京公演終わってしまったけれど本当に楽しいからみんなリューン見てー!

私はマーナム先生が大好きだよ!(笑)

 

 

*1:まとくんに視線奪われちゃうのは夏の過ちというか、ね?←

*2:自分の担当の団扇はもう売り切れていたのに本当に申し訳なかった。

*3:4日違い

*4:早生まれって所まで一緒なの嬉しい。頑なに「丈リチャ世代」って思ってる。

俗世に飲まれた天才の話~アマデウス感想~

 

『凡人が天才の真似をするな』

 

初見時に頭に浮かんだのは、今熱中しているゲームの台詞だった。*1

 

私は出世や名声、俗世の地位に囚われながらアマデウスに憧れるサリエーリが憎くて仕方がなかった。

愉快な音楽が泉のように湧いてくる、そんな天才の音楽が俗世を生きる彼によって途絶えてしまうのが心の底から許せなかった。

 

アマデウスの最期、サリエーリは「一人にしてくれ」と言っていたけれど、そもそもサリエーリとアマデウスは始めから二人なんかじゃなかった。

神の御声が聞こえる特別な耳を持ち、あの狭い宮廷でアマデウスの才能を見いだせるただ一人の人物でありながら、彼はアマデウスの理解者にすらなれなかった。俗世に馴染めない「特別な」アマデウスと、俗世でしか生きていけない「平凡な」サリエーリという二人の男の構図は最後まで崩れなかったはずだ。

 

私は照史くんが演じるアマデウスが可愛くて大好きだったから、余計に腹が立ったのだと思う。

サリエーリもコンスタンツェも、アマデウスを理解するどころか、俗世に押しとどめて生きづらい方へと誘っている存在に見えてすごく息苦しかった。居場所がない、拠り所がどこにもない、アマデウスの周りに漂う圧迫感と孤独は座って観ているだけの私に十分すぎる不快感を与えてきた。*2

彼は天才だと明言したのはサリエーリだ。劇中で音楽に理解のある人間はサリエーリただ一人。アマデウスの音楽に心から魅せられていたのも彼一人。それを自分でもわかっているのになぜ、アマデウスと自分の関係に「勝ち負け」という表現を用いたのか。どうしてそこまで分がわきまえられないのか。

 

発端の気持ちはとてもよくわかる。

神に願い、幸運を手にし、努力を重ねたサリエーリにとってアマデウスの存在は恨めしく、煙たかっただろう。一度信じた神の仕打ちに腹を立てるのも無理はないだろう。

この物語の語り手はサリエーリである。観客である私たちに意思を持って語りかけてくるのはサリエーリのみ。私たちは必然的にサリエーリに感情移入して彼の思い出話を聞くようになる。私も彼の「名声が欲しい」という素直な願いに共感し、アマデウスへの嫉妬も理解できた。

だからこそ、あんな中学生のような低俗なやり方でアマデウスを貶め、あろうことか得意げに笑っていたサリエーリが許せなかったのだ。

彼の用いた武器は自分の地位、そして彼の思惑一つで簡単に動いてしまう宮廷社会。どちらも音楽にはまるで関係ない。彼は自分の生きる俗世からアマデウスを追い出し、彼を死に追いやることで勝ち誇った気になっていた。アマデウスの音楽を理解するに及んでいない皇帝、古くからの慣習にとらわれた音楽こそ至高と思い込んでいる宮廷社会の人々…。音楽を理解できない彼らが、音楽における類まれなる才能以外まるで持っていないアマデウスを煙たがるのは当然のことである。そしてサリエーリは、そんな当たり前の悪意を利用しないとアマデウスを困らせる事すらできなかったのである。

 

アマデウスの死後、まだ音楽で名声を得たかったかのような物言いをするサリエーリを私は軽蔑した。

最初から音楽においてサリエーリに勝ち目などなかったのだ。

彼は自分にとって優位な俗世にアマデウスを引っ張り込んで、音楽に疎い人間たちを使って彼を貶めたのだ。落ちぶれるのも破滅するのも当然だ。アマデウスは俗世に生きるべき人間ではなかったのだから。

そして残ったサリエーリには薄っぺらい、死後数年経てば消え去るような上っ面の名声だけが残った。その薄っぺらい名声がいかに空しいか、彼は晩年まで理解できていなかったのだ。

冒頭で散々私たちを共感させておいて、なんと愚かな男だ。

私は怒っていた。三階席から小さな彼の姿を見下ろして、心の底から彼を軽蔑した。

全ての独白を終えた彼は「アマデウスを殺した」という噂によって後世に名を残そうとするが、町中の噂の声は彼の独白を信じない。最期の企みすら失敗に終わる哀れな男を見ながら、明るくて下品なアマデウスを想った。こんな男の悪意に彼は殺されたのだ。なんと遣る瀬無い。

 

彼は普通の人間として生きていくべきではなかったのだ。

死に近付いたアマデウスが思い出していたのは、幼いころの栄光と父親の姿だった。サリエーリと仮面の男、近づく死の気配に怯えたアマデウスが叫んだのも「パパ」だった。

彼に必要だったのは自分を悪意から守り、明るい場所に導いてくれる父親だったのだ。

コンスタンツェとの結婚も、サリエーリという友人の存在も、彼にとっては破滅の入り口でしかなかったのだ。

コンスタンツェが必死で語り掛ける言葉に耳も向けず、自分にしかわからない鎮魂歌に指揮を振るアマデウスを見た時、そんな空しいことを思った。

普通の女の子として幸せになろうとしていたコンスタンツェの言葉は、アマデウスには何一つ届いていないのだ。そして死に直面した彼の恐怖やアマデウスの音楽も、コンスタンツェにはわからなかった。噛み合わない最期の会話は、二人が最初から交わるべきではなかったことを暗示しているようで、見ていて辛かった。

 

誰も立ち入れない世界でただ一人、彼は指揮を振りながら眠りについた。

最期に彼の頭の中で響いていた音楽が、彼にとって安らかで、優しいものであればいいな、と思う。

 

 

 

 

東京で一回、福岡で一回。たった二度の観劇でも、ものすごく体力のいる舞台だった。

感情が忙しい上に、その殆どが怒りや悔しさなのだ。のども乾くし、妙に力が入ってしまう。

そんな中で、照史くんの扮したアマデウスの存在は眩しかった。彼が無邪気に笑い転げていたのはわずかな時間だけれど、それでも十分なくらい、明るくて楽しかった。

照史くんのそこにいるだけで、笑うだけで、場が華やぐ不思議な魅力は、誰かを演じていても健在だった。やっぱり照史くんはすごい。

 

 

 

土地勘のない久留米の町を歩きながら、この気持ちを忘れないうちにブログを書こうと思った。

こんなに感情を忙しくさせる舞台に出会える照史くんを心から羨ましいと思った。

 

 

あわよくば次は自担が演じる何かにフラフラになるまで感情をかき回されたいなぁ。

 

 

照史くん、「アマデウス」お疲れさまでした。

 

*1:私がアマデウスの人となりに触れるきっかけになったのもこのゲーム。観劇前にやって良かった。

*2:勉強不足のため史実はわからないし、これはあくまで今回の公演を見ただけの感想です。

ショーを彩る貴方に魅せられて。-ジャニフワ感想のようなもの-

 

先週、梅芸にてジャニフワを観劇しました。

 

 

………ジャニヲタっぽい!!(感動)

ジャニフワだって!梅芸だって!遠征だって〜!!(とにかくコレが言いたかったw)

 

大学生になってジャニーズの出る舞台をいくつか見に行きましたが、実は事務所の息が掛かった舞台を見るのは初めてでした。

「キンプリと一緒で感じ取るものだから!」と言うのは今回も一緒に遠征の先輩。

なんかすごく頼もしい。この人もジャニワ初めてなのに。キンプリパワーか?(元々アニヲタ)

 

 

1回きりの鑑賞だった上に相変わらずメモをとる習慣が身についていないので、ざっくりとした感想(もはや印象)を書き残したいと思います。

 

 

①うちの子がスゴい

あっれ〜?お兄ちゃん達に混ざってガシガシ踊りまくってる子がいるぞぉ……?なんかめっちゃ飛んで跳ねて回ってるぞぉ………?

 

それは毛利柊和くんです!

 

スゴい。スゴいよ柊和!!

今回コレが一番嬉しかったです。

今の関ジュにユニットが無いのはとっても怖いし、私も残念に思っているけれど、今回みたいに何か目を惹くものを持ってる子が前に出てきやすい、上のお兄さんたちに混ぜてもらいやすい環境になるならそれもそれで良い気がしました。*1

「関ジュ総出演!」と言わんばかりに舞台に人が溢れると後ろに行ってしまいがちなのですが、動きが大きいから大丈夫!神山くんもびっくりのバッキバキダンスとアクロバットで見逃す訳がない!!双眼鏡要らずの柊和たん最高〜!

 

今後もこうやってお兄ちゃんと一緒に踊れるといいなぁ。最後のHHJでまとくんと笑って踊ってるのがすごく可愛かった。

 

どうかどうか、多くの人の目に止まりますように!!

羅川真里茂さん作画のような二次元味の強い男の子です。「塚ちゃんかな?!」ってくらいバク転繰り返してる男の子がいたらそれは柊和です!!

 

赤ちゃんと僕 1―愛蔵版 (花とゆめCOMICSスペシャル)

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 (個人的に柊和の作画は羅川真里茂さんなんですけど、違いますかね?とりあえずこの辺の少女マンガ。)

 

 

②岩橋くんはカッコいい。

いわちのことは尊敬と愛情を込めて「姫」と呼んでおります。本当に可愛い。あのハニカミ方は女子でもなかなか習得できない。

 

私が入った回では、姫は文一おじさんに迫られていました。

オドオドする姫、迫り来るおじさん*2、背後には壁…。

誰もが不安そうに姫の行く末を見守る中、姫は華麗におじさんを回避しました。その指でおじさんの額を「ツンっ♡」と突いて。

 

…震えた。可愛い。

みんないわちのこと好きになればいいと思う。元関西ジャニーズJrの首領(ドン)(※誇張表現)中間淳太様は姫をお気に召していなかったけれど、姫もじゅんじゅんに負けないくらい可愛いからどうか愛して欲しい。

 

 

…で、今回伝えたいのは姫の「可愛い」じゃなくて「カッコいい」なんですよ!

ジャニフワの姫は順を追って変化する!!

 

レベル1:宇宙に投げ出されて困っている時

(´∂υ∂`)「えっと、ここはどこなんですかぁ?」

まだお姫様。ダブルゆうたがガラ悪いので、なおさら可愛い。言葉も仕草もお上品。

 

レベル2:突如現れた宇宙人に絡まれた時

向井くん達がお笑いランドについて話している時、舞台の端っこで丈一郎さんが姫にお笑いランドについて解説していました。

身振り手振りといい、豊かな表情といい、丈一郎さんは本日も絶好調。対して姫は………

(´∂υ∂`)「………💢」

絶対怒ってる!!

双眼鏡が無かったので顔を把握する事はできなかったのですが、あれは絶対怪訝な顔してた!

優雅な姫からギャルへと進化を始めた!!!

 それでもまだ嫌そうなだけで可愛い姫は健在。

 

レベル3:突如始まる殴り合いの喧嘩

急な展開についていけない私を置いて、舞台上はどんどん険悪になっていきます。

相変わらず丈一郎さんは姫に突っかかる。

そして姫も丈一郎さんが気に入らない。

(´∂υ∂`)「触んなよ」

 

暴言吐いた!!!(驚愕)

 

あれほど上品な振る舞いを崩さなかった姫が!!怒った!!!

男らしい言葉とともに怯むことなく宇宙人に向かってゆく!!!!

 

姫ごめんなさい。

私、本当はあなたがprinceで一番男らしいこと知ってました。

知ってて姫とか呼んでました。

 

姫は麗しい王子様。チェリッシュでいうところのエメラルドなんですよね。

 

(なんかちょっと違うけど。イメージとして?)

 

 

 

 

 

見る前から勘づいてはいましたが、やっぱり事務所舞台の転がるように進む話の流れにはついていけませんでした。

「時の旅人?が、ここでは宇宙人?」

「え?そんで13月は?」

「紫耀……show?え、ちょ、ま、」

「ヒロキおじさん1人の犠牲で宇宙船大きくなったの?」

と、次から次へと疑問が浮かんで、完全に消化不良を起こしてました。*3

 

しかし、絶え間なく続くショーの中でいろんな表情の自担が見られるのは本当に素晴らしいと思います。

 今回のジャニフワで、ただただ可愛いと思って見てた柊和や、やんわり気になる程度だった姫がもっともっと大好きになりました。

 

今後も消化不良に悩みながら、彼らの作り出すショーの世界、そして彼ら自体に魅せられていきたいです。

 

 

あ、最後にこれだけは言わせてね。

 

 

漫才コーナー長引きすぎて最後まで見られない人続出してたぞ!!

 

引きずりすぎだぞ!!!(笑)

 

 

*1:柊和に関しては私の妹よりも年下なので、弟のような馴れ馴れしい気分になっています

*2:文ちゃん本当にごめんなさい。面白かったです。

*3:「考えるな、感じろ!」っていうくらいだからそもそも消化しようとしてるのが間違いなのですけど。